AIに文章作成を頼んだものの、「間違ってはいないけれど、そのまま使えない」と感じたことはありませんか。
説明が一般的すぎる。文章が長い。こちらが伝えたいことと少しずれている。結局、自分で書き直してしまう。
そんなときは、指示に「目的・相手・材料・仕上がり・確認ルール」の5項目を加えてみてください。今回は、仕事で使うための指示の組み立て方を紹介します。
1.目的を伝える
例えば、「お客様へのメールを書いて」だけでは、何を達成したいメールなのかが伝わりません。
面談の日程を決めたいのか。見積もりを確認してほしいのか。提案内容への不安を解消したいのか。目的によって、必要な説明と最後の一文は変わります。
「読んだ相手に、次に何をしてほしいか」まで伝えるのがポイントです。
「見積書を送るメールを作成してください。内容を確認していただき、来週金曜日までに不明点をご返信いただくことが目的です」
このように、仕事の到達点を明確にします。
2.読む相手を伝える
同じ内容でも、経営者に説明する場合と、現場担当者に説明する場合では、必要な情報が異なります。
経営者なら、費用や効果、判断が必要な点を先に知りたいかもしれません。現場担当者なら、操作手順や日々の負担がどう変わるのかが気になるでしょう。
「相手は、AIをほとんど使ったことがない中小企業の経営者です。専門用語を避け、業務でどのように役立つかを中心に説明してください」
相手の立場と知識の程度を添えると、文章の方向性を指定しやすくなります。
3.使ってよい材料を渡す
AIに任せる際に気をつけたいのが、材料の不足です。
商品名だけを渡して紹介文を作らせると、実際には確認できていない特徴や効果が文章に入り込む可能性があります。
商品の仕様、価格、対象者、提供条件など、確認済みの情報をまとめて渡しましょう。
材料が整理されていなければ、まずAIに「文章を作る前に、不足している情報を挙げてください」と頼む方法もあります。
ただし、顧客情報や個人情報を入力する場合は、会社で認められた利用環境と社内ルールを確認してください。
4.仕上がりの形を指定する
内容だけでなく、長さや並び順も指定します。
例えば、次のような条件です。
- 本文は400文字程度
- 結論を最初に書く
- 依頼事項は箇条書きにする
- 最後に返信期限を記載する
社内に使いやすい過去の文面があれば、機密情報を除いたうえで見本として渡す方法もあります。
「丁寧に」「分かりやすく」だけでなく、完成形が想像できる条件を伝えることが大切です。
5.分からない情報の扱いを決める
業務で使う文章には、正確さが必要です。
そこで、最初から次のルールを入れておきます。
「資料にない事実は補わないでください。不明な情報は『要確認』とし、確認が必要な項目を本文とは別にまとめてください」
この指定をしても、誤りがなくなるわけではありません。送信・提出前には、人が氏名、金額、日付、契約条件などを確認します。
確認する箇所を先に決めておくことが、安心して使うための準備になります。
そのまま試せる指示文
次の例の[ ]を、自分の業務に置き換えて使ってみてください。
お客様へ送る提案メールの下書きを作成してください。
【目的】
[提案内容を確認いただき、打ち合わせ可能な日程を返信してもらう]【読む相手】
[AIの導入を検討している中小企業の経営者。専門知識は少ない]【使う材料】
[提案の概要、確認済みの費用、候補日などを記載]【仕上がり】
件名と本文を作成。本文は400文字程度。提案の目的、相手に期待できるメリット、依頼事項の順で記載してください。【確認ルール】
材料にない実績や効果、金額は補わないでください。不明点は「要確認」とし、最後に確認事項を別記してください。
効果は「修正を含めた時間」で確認する
AIが数秒で文章を作っても、その後の修正に長い時間がかかれば、十分な改善にはなりません。
試す際は、これまでの作成時間と、AIへの入力・確認・修正を合わせた時間を比べてみましょう。
例えば、1件15分だった作業が確認込みで8分になれば、削減は7分。月20件なら140分です。これは計算例ですが、自社の実測値に置き換えれば、続ける価値を判断できます。
まずは、繰り返し発生するメールを一つ選んでください。5項目を入れて指示し、実際に使える状態になるまでの時間を測る。うまくいった指示文は、社内のひな形として残す。
一度の便利さを、会社で繰り返し使える手順に変えるところから始めてみましょう。
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